声は声のプロにまかせよう [映画]

ジブリの新作「コクリコ坂から」のキャストは、メインに長澤まさみ氏と岡田准一氏を起用とのこと。

また中途半端な…

昔からの宮崎アニメファンなので毎回映画は観にいっているのですが、毎回がっかりさせられています。

主な原因はやっぱり声の演技なわけで。簡単にいうと主要キャラの声優が鳥肌がたつぐらい下手くそである。

声優とはなんぞやという話を真面目にしだすと止まらなくなるんですが…、うん、やっぱり素直にプロを使いましょう。

宮崎氏は「アニメ声が嫌だ」とか「最近の女性声優は娼婦声だ」とか言ったとか言わないとか…ありましたね。
いや、アニメだし。しかもほとんど外国設定でしょうが。
で、選んだのが岡村明美氏か。差別用語として書きたくはないが、娼婦声以下だ。下の下でしらけましたよ。
というか、娼婦を馬鹿にするな。ちなみに島本須美氏も立派にアニメ声である。私は大好きですが。

一言いいたいのは

あんたの作品が人気ある原因の一つは、その嫌いなアニメ声のおかげであった

ということ。ストーリーや映像が感動ものだったのももちろんですが、声優の日本人離れした深い演技があったからこそ、より秀作になったんです。映画しかり、名作劇場しかり。


こんなこと言うと、アニメオタクだからとかアニメ声が好きだからとか言われそうだけどそうじゃなくて。
それにアニメ専門声優なんてのは基本いません。ただの声優です。今のところアニメしか演じていないだけです。
「普通に上手いじゃん」という人もいるでしょうが、しょうがないんですよ。上手い演技を聴き慣れている者としては。

一時期米国の映画製作者から指摘されたんですよね、「人気作品(ハリウッド作など)なのに、知名度の低い役者に吹き替えなんかさせるな」と。要は声優のことです。
米国では大概が著名な俳優が声も担当しますからわからなかったのでしょうね。

ベテラン声優の声の演技には、大御所の大俳優でもなかなか太刀打ちできないという事実を。

ちなみに声優にも著名人はたくさんいるわけですが…
日本の場合は、テレビに出て人気が出ても演技が素晴らしいかっていうとそうでもないわけで…実力主義な国ではありません。正直顔もあまりめぼしいのがいない気がします。イケメンって呼ばれても「どこが?」というのがほとんど。遺伝子の劣化? 昔は本当に顔だけでも絵になるって役者がいたものですが。
劇団やミュージカルの役者にはいい人材が揃っているのでしょうがね。

『シュレック』なんてよい例ですね。浜田雅功氏・藤原紀香氏・竹中直人氏あたりが吹き替えをしましたが、ひどすぎるの一言。山寺宏一氏が上手すぎて逆に引きました。
これでOK出すアテレコの監督もつらいでしょうな。



ジブリ映画で個人的に幻滅したのは

●松田洋治氏
●三浦浩一氏
●高橋一生氏
●石田ゆり子氏
●森繁久彌氏
●木村拓哉氏
●神木隆之介氏
●大竹しのぶ氏

このあたり。
特に、森繁氏・三浦氏の下手さ加減には心底驚きました。好きな役者さんなだけにがっかり感は大きかった。
ただしゃべるだけなら誰でもできる。これで金もらってるのかってねえ…芝居のようにはいかない模様。
しかも声にもあまり魅力はない。なんでコレ選んだの? ていまだに超常現象並みに不思議です。
美輪明宏さんはさすがにまともでした。

自然な演技の方がいいといっても限度があります。著名人使って売り上げあげるというのは、企業としては正解だけど、良いものを提供したいというサービス面では失敗です。まあ、金になればいいんでしょうが。
でもね、映像がブロードウェイ・ミュージカル並みに表現過多なのに、声が貧相な棒読みってどうなの? アニメや洋画チックでなく自然な演技がいいというなら、映像も表現の乏しい紙芝居(静止画)みたいなものにしないと釣り合わないんじゃない? ほら、痔のCMみたいなのでいいじゃない。

とにかく不自然。アニメ好きとしては、アニメーション・音楽・声の三拍子がそろっていないと、ストーリーが良くても感動できません。
正直、無名でもいいから演技の上手い人もってきてくれと思います。上手けりゃ誰も文句言わないから。
選んだ役者が下手すぎるのが問題なんです。「これで監督OK出してるの!?」みたいな。

主役が下手で脇が上手いというのは昔からドラマでもあることですけどね、ドラマなら身体の演技も下手だから比例していてわかりやすいんです。でもアニメの場合は身体(アニメ)の演技が秀逸なので、声が下手だとより違和感を感じるんですよね。不快さも増します。

俳優が声優に声の演技面で劣る原因としては、俳優専門の場合、身振り手振りで身体全体を使って感情を込めて演技するのに慣れているため、アニメや外国の役者をスクリーンで見ながら感情を想像して言葉を合わせてしゃべるというのが難しい(できる人ももちろんいる)。想像力が乏しいというわけ。
だから棒読みになったり、たどたどしくて素人くさく幼稚に聞こえるんです。どちらも得意な人もたくさんいるでしょうが、少なくともジブリに抜擢された役者は下手くそだらけ。

かたや声優専門の方はそういう演技やアドリブを得意としているわけですから、やはり差が出るんですよ。これも声優みんながみんな上手いとはいいませんが、でも基礎練習や発声練習はしっかりこなしているわけですから、声ははっきりしていると思います。




一昔前の話になりますが、もともと日本でも最初は声優なんて職業はありません。戦後まだテレビがなかった頃、ラジオでドラマをやりだした時は、役者が声で演技をしていたわけ。主題歌だって毎回放送のたびに歌手に歌わせるんですよ。

で、テレビが誕生して洋画やらアニメやらが注目され始めた頃に、吹き替えが役者さんだけじゃ数的にも力不足なので、容姿はどうでもいいから声でいい演技のできる役者を募ったわけです。それが声優のはじまり。

それでも一昔前は、役者兼声優が多かったのです。
全部が上手いとはいいませんが、まず声に味がありましたし、作品に対するキャスティングもよかったんです。

『声優』という職業が定着してきた頃には、役者は役者、声優は声優となってきたわけですね。



ちなみに私が初めて声優の演技のすばらしさを感じたアニメが、『未来少年コナン』でした。宮崎氏のてがけた作品です。ストーリー、イラスト、歌が素晴らしかったのもあります。でも、やっぱり声なんですよね。その世界に引き込まれそうになるというか、キャラの感情がダイレクトに心に伝わってくるんです。アニメは良い音楽と、声ありきだと思います。世界名作劇場も全部観ました。

こういう作品を経て、評価され、現在にいたるはずの宮崎氏だったのですが。声に限っては魔女の宅急便あたりからちよっとプロ意識の欠ける方向に進んでいってしまいました。残念ですね。あと他人の作品をやるのもなんだかなあ。
まあこんなに批判しても、映画は観にいくわけですが。今回は少しはマシだといいけど、ホント勘弁してほしいね。
変なのもってくるくらいなら、市原悦子氏とかに一人十役とかやってもらった方がいいんでない?


確かに最近の若手人気声優はちょっと似たり寄ったりで、演技も発展途上に感じる人が多い気がしますが…
一昔前の秀逸な声優を知っている私のような世代では、今の歌手やらタレント俳優風情の下手くそな吹き替えは受け入れられないのが多いと思いますよ。

現在の若者は知らないでしょうが、『アンタッチャブル』『スパイ大作戦』『特攻野郎Aチーム』『ナイトライダー』『超音速攻撃ヘリ エアーウルフ』その他もろもろ。日本で放映された人気海外ドラマの一部です。一度観ていただきたい。
内容自体面白いんですけど、吹き替えの素晴らしさが実感できます。

しかし、最近、俳優も歌手も声優もなんだか…質がおちたというか。特徴がないというか。
人数が多いせいでしょうかね? 歌手はなんだかイロモノが多いし…正直歌も歌唱力も駄目ってのが目立ちます。でも売れてるのかしら…全体的にレベルが低くなっている気がします。ドラマもそう、学芸会みたいなのが多い。これも時代ですかね。




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